ずっと不安

不安だなあ、と思っている。つまるところ全然金がねえなあと思っている。

どうして金がないと思っているかというと、今の会社を辞めると決めたからである。決めたっていっても、具体的に転職活動をしているわけではないし、会社にも言ってない。直近で今すぐ辞めるという話でもない。けど、「辞めたい」ではなく「辞めよう」が降ってきてしまったので、もうここあたりが限界かなと思って、思った。思っちゃったのであった。

実際に「仕事を辞める」って決めると毎日の過ごし方がじんわり変わったのを感じる。仕事をしていて嫌なことがあると「こんな嫌な思いするのもあと少しかあ」みたいな感慨深い気持ちになるし(※まだ全然辞める目処なんて経っていないのに)、あとはとにかく金がなくなることへの不安が募っている。働きたくない働きたくないと言っているけれど、じゃあ働かなくなったらどうなるの?っていうのをリアルに想像すると、収入が0円になったら、家賃は?携帯代は?Wi-Fiは?食費は?いま好きなものに費やしてるお金から削ることになるけど?みたいなことが連鎖的に頭に浮かんで止まらない。

働かない人は生きていけないのだ、この世界では。

 

いつか来る会社を辞める日に備えて少しでも貯金をしなくてはと思っている。気持ちだけはある。でも毎月の細々とした貯金なんかじゃ何ヶ月ももたないよという不安がすぐに襲ってくる。私のように、地元を出た人間は生きるだけでコストがかかるのだということをしみじみ感じる。雨風をしのげて、ゆっくりお風呂に入れて眠れる場所、つまるところ家だが、そういった場所を無料で使わせていただいていた「実家」という機能の偉大さを感じる。一応遠いところに実家がある私はまだセーフティネットがあるっちゃある状態なのだが(私が東京で暮らすことを諦められるなら)、世の中にはいろいろな事情で実家がない人、実家に帰れない人がいることを思うと、私はまだ恵まれている方なんだと思う。このままじゃ餓死すると思ったら地元に帰れば、衣食住は面倒を見てくれる人がいるとわかっているから。それがない人は何が何でも仕事を手放せないだろう。自分が自分を諦めたらすぐに命が危険になる人って結構いくらでもいるような気がする。

 

という話を信頼できる大人の人にしたら、「みんなそうだよ」って言われた。「パートナーがいようが、結婚してようが、仕事やめたら生きていけないのはみんなそう。あなただけがそのことを恐れているわけじゃないよ」と。そんなもんなのかな。

 

社会人になってからとにかくずっと不安だ。不安と孤独が絡まり合って私の心を支配していて、それでもどうにか生きていかなきゃいけないから、感情をオフにしたり、逆に好きなものでアゲて麻痺させたりしながらやってきたけど、そうすることで精神面はコントロールできるかもしれないけど、もっと本質的なところで、「私はこの生活を続けられないな」と思うことが今年に入って結構あった。けどその気持ちは結局「私は私の人生から逃げたい」という意味に変わりはなく、本屋に平積みされている自己啓発書の作者が私を見たら鼻で笑いそうだなって思う。「努力が足りないのでは?」「自分に合う環境は他にあるって思ってるかもしれないけど、自分が変わらないなら逃げても結局一緒だよ」「どうなりたいかを他人の意見で決めるの?もういい大人なのに?」…

 

少しでも不安を感じる瞬間を減らせたらと思う。自分の人生は自分でハンドル切るしかない。ドライヴさせないとだめだって、わかっている、わかっているから心臓が痛い。ずっと。